打率１０割、じゃんけんで必勝、１分間に２５０ページを速読……。

こんなロボットたちを作って動畫サイトにアップし、再生回數が計１２００萬回を超えた。高速の畫像処理技術を使い、動體視力は人間を超える。じゃんけんの秘密は千分の１秒単位の後出しだ。

創造情報學専攻。研究室は５０人の大所帯、パーティションで區切られた機が並ぶ學生室や実験室など１１室。開発した技術を組み合わせるロボットのアイデアは學生たちとの議論の中から生まれる。

大學院生のころ、海外から部品を仕入れてパソコンを手作りし、仲間に喜ばれた。「世の中にないものを作りたいと思った」。動畫は反応を知る展示場だ。「社會が必要としない技術は獨りよがり。社會受容性が大切」。じゃんけんロボは論文も學會発表もしていないのに世界から評価された。

研究室でのスキーツアーやバーベキュー大會が楽しみ。整理好きと言われる。「ぐちゃぐちゃしたものを整えて全體像が見えると、うれしい」。研究室のホームページの整理が趣味だ。

「海外に出ていった製造工場を日本に戻したい」と願う。人の１０倍の速さで働くロボットを、１０人の人を雇うより安く作れれば、コストで対抗でき、モノ作りのノウハウも守れる。

ライバルは海外の大學？　企業？　「いえ、弟子たち」。次のびっくりロボを今年も公開する。（「朝日新聞」より）